高いほどワインはウマい説は本当に正しいのか
これだけ各商品やブランドに大きな価格差があると、誰もが一度は抱く疑問があります。
それは、「やっぱり高いほどワインは美味しいのか」というもの。
これが本当なのかどうかを試すためには高い銘柄のものを購入して飲んでみて比べるのが一番ですが、中には数十万円、数百万円というとんでもない価格の銘柄もあるので、そんな疑問を解決するだけのために購入するのはハードルが高すぎます。
この高いワインが美味しい説の真偽について、あらゆる角度から調べてみました。
この一連の疑問に付随する疑問として、多くの方が何となく抱いているものがあります。
それはワインの価格がどうやって決まっているのかという部分です。
商品の価格は需要と供給で決まるのはアダム・スミスが体系づけた経済の基本ですが、ワインにもそれが当てはまるのでしょうか。
例えば、とても希少性が高い一方で味が良いと評判で引く手あまたになり、価格が高騰するというのであれば最も合点がいきやすいと思います。
次によくあるのが、何十年もの歳月を寝かせてきたヴィンテージものです。
どんなに良いものであっても何十年という年月をかけるにはそれだけの時間を要するので、その時間の蓄積という膨大な手間が価格に乗っている場合もあります。
その他には特定の産地やワイナリー、生産者などに人気が集まり、付加価値が高いとして価格が高くなることもあるでしょう。
いずれも高い価格であっても買いたいと思う人が世界中にたくさんいるからこそ成り立つわけで、その意味では需要と供給の関係が見事に反映していると言っても良いでしょう。
ただ、ここから先はワイン文化がなせる「ハッタリ」もあります。
高い銘柄だから美味しいに違いないと思い込んだ世界中のお金持ちが競い合って買うために価格が高いままになっているものや、世界には「とにかく高いワインを飲みたい」という成金趣味の人もたくさんいます。
こうした人たちに価格が押し上げられているワインが美味しいかというと、それは疑問符が付くかも知れません。
こうした事情を考えると、結局のところワインが美味しいと感じるかどうかは飲んだ人の好みに合っているかどうかが最大のポイントと言えそうです。
甘めのものが好きな人が辛口の銘柄を飲んでも美味しいと思わないでしょうし、その時の料理に合っていたとしても別の料理の時に同じワインを飲んでも美味しく感じない可能性はあります。
自分の好みと、少々の「ハッタリ」、こうしたものを全て含めてご自身の味を見つけるのが、一番の楽しみ方ではないでしょうか。